【導入事例】リノキノ様 顔認証システム導入後のインタビュー
鍵いらずで、もっと自由に。
介護施設に広がる“スマートな暮らし”
この度、千葉県松戸市のサービス付き高齢者向け住宅「イハナハウス」様に、
顔認証集合玄関機を導入いただきました。
株式会社 リノキノ/イハナハウス(松戸市)
千葉県松戸市・柏市を中心に介護事業や障害者支援、
人材紹介など多岐にわたる福祉関連サービスを展開されています。
創業のきっかけともなった介護事業は、2025年で設立から15年目を迎えました。

顔認証集合玄関機とは・・
あらかじめ登録された顔情報をもとに、非接触で玄関の開錠ができるシステムです。
入居者様はもちろん、ご家族や訪問スタッフも、
鍵やインターホンを使わずスムーズに施設内へ入ることができます。
介護現場の負担軽減や、入退室履歴の把握・セキュリティ向上など、
利便性と安全性の両立を支援します。
今回は、2025年より運営を開始した
サービス付き高齢者向け住宅「イハナハウス(松戸市・常盤平)」
にて導入された「顔認証集合玄関機」について、
その導入背景や運用後の変化について、お話を伺いました。
― 今回導入された施設と背景を教えてください。
今回導入したのは、松戸市にある「イハナハウス」です。
実はこの施設は、以前は他社が運営していたのですが、
今年から弊社が運営することになりました。
それをきっかけに、人件費などを見直す中で、利用者さんが使いやすく、
かつコストを抑えた運営ができるようにということで、
三和テレムさんに相談しました。
― 導入前、インターホンや入退室で困っていたことはありましたか?
ここはサービス付き高齢者専用住宅ですが、
自立度が高い方が多く、各お部屋も鍵があり、皆さんご自身で出入りしています。
訪問介護のスタッフや他の事業者さんが来るときは、すべて弊社の受付を通る必要があり、
スタッフが「インターホン係」のようになってしまっていました。
スタッフの業務が中断されることも多かったです。
今回、顔認証を導入することで、入退室管理がとても楽になり、
訪問の方が直接お部屋まで行けるようになりました。
― ご家族やスタッフの方から、印象的だった声はありますか?
やはり、「鍵を出さずに入れる」という点は、利用者の方にもご家族にもとても喜ばれています。
― 導入を検討し始めたきっかけは何でしたか?
この施設を運営することになったのをきっかけに、
施設全体を見直す中で、福祉機器の展示会などにも足を運び、
いろいろな情報を収集しました。
総合的にいろいろな機器を導入しようとすると、非常に高額になってしまいますし、
当施設の場合は利用者様の自立度が高いこともあって、
サービスの内容としては少し過剰だと感じる部分もありました。
たとえば「離床センサー」と呼ばれるような、
立ち上がりを感知するセンサーや、居室内にカメラを設置して生活を見守るといったものは、
うちの利用者様にとっては必要のないもので、場合によっては嫌がられる可能性もあると思いました。
そうやって必要なものを絞っていった結果、最終的に残ったのが三和テレムさんの
サービスでした。
― 導入を決めたポイントは何ですか?(顔認証集合玄関機を決めた理由)
自立度は高いとはいえ、認知症になっても安心して暮らせる施設であることを考えたとき、
集合玄関で顔認証ができるのはとても良いと感じました。
― スタッフへの説明やサポート体制はどうでしたか?
特に難しいことはなかったです。
― 導入までの時間はどう感じましたか?
工事も迅速に行っていただいたので、特に長いと感じることはありませんでした。
― 工事時に、入居者の方からの反応はありましたか?
今回は他の工事も一緒に行っていたので、工事中でも入居者の方は普段通りに生活できて、
全体的にスムーズに終えることができました。
― 導入後、1ヶ月経って感じる変化はありますか?
まだ導入してから1ヶ月ほどなので、全員に普及しているわけではありません。
訪問介護の方やご家族の顔認証登録も、まだすべて完了しているわけではないのですが、
少しずつ変化は出てきています。
これまでスタッフが他の業務中でもインターホン対応に呼ばれていた状況が減り、
「インターホン係」のような役割が少なくなってきました。
その分、本来の施設運営に必要な業務に集中できる時間が増えてきています。
― セキュリティ面での声や意見はありますか?
ご高齢の方の中には「停電時に利用できないのではないか」という不安な声もあります。
また、これまで鍵を使ってきた世代の方の中には、
鍵を持たない生活スタイルに違和感を感じる方もいますが、
使っていくうちに便利さを感じて慣れていただけると思っています。
― 他の施設での導入検討について
宿泊型の施設は、今回が1棟目となりますが、
こういった取り組みを進めていこうと考えています。
実際、私たちのお客様のほとんどは自分の家で暮らしています。
ご自宅に入ったことが確認できれば、
ご家族が「今、自宅にいるのか」「お買い物で外出しているのか」と把握できたり、
離れて暮らすご家族や、私たちのような事業者にその情報が届き、
データで管理することが必要じゃないかな思っています。
― これから導入を検討している施設の方へ「実際に使って感じたこと」「伝えたいこと」
すごくいいと思います。
今、これが導入されていることは、私たちの「いいところ」の一つだと考えています。
「イハナハウス」としては、入退室を厳しく管理するのではなく、自由な暮らしをしています。
たとえば、入居者の方が夜に飲みに出かけられても、
24時間いつでもスタッフは「イハナハウス」の事務所にいますが、
入居者の方が外出の際にいつ戻られるかを必ずお伝えいただく必要はありません。
そのため、戻ってないことを気づかず、翌朝の朝食の時間まで分からなかったというのが、
これまでの課題でした。
このシステムがあることで、ご入居者がいつお戻りになったかを確認でき、
もし長時間戻られない場合には、こちらから携帯にご連絡することもできるので、
その情報をご家族とも共有できるため、ご家族にも、すごく安心していただけると思います。
これは、他の施設と比べても大きなメリットになると思っています。
あとがき
介護業界について、これまではニュースなどで「人手不足」や「過酷な現場環境」といった話を耳にする程度で、実際の現場がどのようなものか深く理解できていませんでした。
今回の導入やインタビューを通じて、まだ一部ではありますが、現場で働く方々や施設運営の現実について、多くの学びや気づきを得ることができました。
たとえば、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)では、設備の快適さだけでなく、スタッフの対応やサービスの質が問われ、入居者の獲得にも直結すること。
そうした厳しい環境のなかで、経営者・スタッフ・入居者・ご家族それぞれの立場や思いが交差し、すべての人にとって満足できる解を出すのがいかに難しいかを実感しました。
そのような中で、私たちのサービスが少しでも現場の負担を軽減し、「導入して良かった」と感じていただけるものでありたいと、あらためて強く思いました。
これからも、現場の声を大切にしながら、課題に寄り添える製品・サービスを届けていきたいと考えています。